意外に思われるかもしれませんが,事業の成功は契約によるところがとても大きいものです。
「こんなはずではなかった」「口頭で言っていたのと全然違う」などのトラブルが原因で,今まで積み上げてきた利益がすべて帳消しになってしまうほどの大きな損害が生じることもあるのです。
契約書を作る意義は,主に2つあるかと思います。
一つ目は,後日紛争になった場合に「証拠」になるということ。
実際の裁判においての勝ち負けは,原告もしくは被告がいかに確実な証拠を提示できるかが,最大の決め手となります。
その点,正確な形式で書かれている契約書は高い証拠価値が認められています。
二つ目は,トラブルを未然に防止できるということ。
契約書の不備が原因で,よくあるトラブルをいくつかまとめてみました。
特に市販のひな形を使用する場合には,注意が必要です。
例1)実際の取引では分割払いが多いのに,契約書に期限の利益の喪失事由等が規定されていなかったため,支払いの延滞が生じているのに,すぐに対応ができない。
→代金の一括払いを前提に作成されたひな形をそのまま使ってしまったために起こる,よくあるトラブルです。
例2)クレームが発生した場合の対応方法・手続費用の負担が書かれていなかったために,二重トラブルの原因となってしまった。
→「対応を協議する」など曖昧にしてしまいがちな条項です。自社が買主か売主によって盛り込むべき内容は変わってきますが,合理的な責任分担をするためにも,費用負担も含めて明確に規定するべきです。
例3)価格の決定(変更)に関して明記していなかったため,不利な条件を押し付けられてしまった。
→価格におけるトラブルは大変多いものです。あらかじめ決定(または変更を予測)することができない場合にも,「後日協議する」などのあいまいな表現は避け,「見積書の提出を前提とする」等の記載が必要です。
日常的に弁護士に依頼される習慣が無い場合,費用のことや,そもそも本当に依頼が必要なのかなど,不安があるかと思います。
そのような場合でも,まずは「法律相談」をお申し込み下されば,ご相談に応じます。
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